映画『トランスナショナルな女性労働者たち~国境を越えた女性達の労働問題~』は、1995年に中国北京で行われた第4回世界女性会議をきっかけに、アジア各国の建設現場で働く女性達の状況を映した旅の記録です。
世界の女性たちは建設現場でも雇用問題に直面しています。 発展途上国では、仕事の機械化がしばしば貧困層の失業を招いています。 この現象は「最下層への競争」とも呼ばれる労働者移民の流入とも関係しており、さらに安く労働者を使いたい雇用主が労働者移民を好み増加させているのです。 何世紀もの間、アジア 女性は建設業に関わってきましたが、多くが技術職よりも単純労働を担ってきました。 先進国でも途上国でも、技術を伴う建設の仕事は女性には不適切だと考えられていますが、いったい何が技術と考えられ、性別が建設職のわりあてにどう影響しているのでしょう。
フィルムのはじめは1995年の国連女性会議で撮影されました。 建設業のワークショップではアメリカ、デンマーク、バミューダ、日本、アフガニスタン、インド、 そしてタイからの女性達がそれぞれの国での女性の労働問題について議論しています。 続いて、制作者がタイ、インド、シンガポール、台湾と旅をし、 建設現場・労働者の家庭・労働組合を追い、学者や活動家に話を聞いています。 日本とパキスタンの映像は、それぞれの国の共同制作者が撮影したものです。
日本の撮影部分では、配管工の渡邊恵子が長女出産後の雇用状況の変化について語り、その後、大型ミキサー車運転手の田塩真実が性差別と仕事に対する誇りについて話します。 65歳で大工として働く平出芳子も、住宅リフォーム業を着物仕立ての完成の喜びに例え説明します。
このフィルムの物語は、「近代化・教育・科学技術が男女平等と貧困の緩和をもたらす」という多くの期待を裏切ります。 そして、「このような建設業の男女間格差は、業界で働く女性に国境を越えたつながりをもたらすであろうか」という疑問を投げかけます。